FAPIG

THE FlRST ATOMlC POWER INDUSTRY GROUP

 

FAPIG誌 概要

原子力発電所の可燃性雑固体廃棄物焼却炉における使用済樹脂焼却効率向上の検討
-ワックス混練樹脂の製造および実機焼却試験結果-

〔概 要〕
 原子力発電プラントでは復水浄化設備などにイオン交換樹脂が広く使用されており,使用済イオン交換樹脂は低レベルの放射性廃棄物として発電所内に貯蔵されている。この使用済イオン交換樹脂は粒内に多くの水分を含む難燃性の物質であり,通常はそのまま貯蔵するか,あるいは,他の可燃性廃棄物と混合して少量ずつ焼却炉にて処理するなどしている。また,粒状イオン交換樹脂は粒径が400-1000μm程度のビーズ形状であるため,開放系で取り扱う際には汚染拡大抑止の観点から周囲への散乱などに対する注意が必要である。これらの不都合を解消し,使用済イオン交換樹脂を大量,かつ円滑に焼却処理する手段として,水切りした使用済イオン交換樹脂に石油系のワックスを加えて混練,成形し,ワックス混練樹脂を製造する方法を開発した。この技術の実機成立性を実証するために,模擬のワックス混練樹脂を大量に製造して実機焼却炉で焼却し,ワックス混練樹脂単独でも焼却処理が可能であることを確認した。