FAPIG

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FAPIG誌 概要

東日本大震災廃棄物焼却炉の実績と研究開発について

〔概 要〕
 2011年3月に発生した東日本大震災により過去に類を見ない多くの災害廃棄物が発生し,特に被害の大きかった沿岸3県(岩手県,宮城県,福島県)では,可燃廃棄物の焼却処理に,既設焼却炉や広域処理の活用だけでなく,仮設焼却炉と称する新設の焼却炉を随時建設し,処理を行ってきた。その結果,岩手県,宮城県では当初の計画通り,2013年度にてその処理をほぼ終了できる見込みである。一方福島県については,福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性物質により汚染された災害廃棄物だけでなく,環境除染に伴い発生する廃棄物も処理対象とするなど,仮設焼却炉に対しても放射性物質の処理に対応する必要が生じ,電離放射線障害防止規則を改正(2013年7月施行)し,2014年には汚染廃棄物対策地域とされる旧非難区域においても仮設焼却炉を設置し,焼却処理を進める予定である。
 本稿では,川崎重工業が宮城県に建設した仮設焼却炉(2基)についてついて述べるとともに,福島県にて設置が予定される仮設焼却炉の設計データを取得する目的で行った実証試験の概要を述べる。