FAPIG

THE FlRST ATOMlC POWER INDUSTRY GROUP

 

FAPIG誌 概要

JT-60SA用ダイバータターゲットの製作

〔概 要〕
 核融合エネルギーの早期実現に向けて行う活動として「幅広いアプローチ(BA)活動」が実施されており,その中で核融合プラズマの高性能化をめざす研究開発のために日本原子力研究開発機構のJT-60の改造が実施されている。
 JT-60では,高加熱プラズマの維持時間が制限されていたため,真空容器下部に設置されるダイバータターゲットは炭素タイルをヒートシンクにネジ止めした慣性冷却構造であったが,改造後のJT-60SAでは100秒間の高加熱運転に耐えるためモノブロック構造受熱タイルを冷却管に冶金的接合した強制冷却ダイバータが適用される。
 しかしながら,受熱タイルと冷却管とでは適用される材料の線膨張率が異なり,その材料接合部間で欠陥が生じ易く,その欠陥が断熱箇所となり所定の除熱性能を得ることが難しい。そこで当該機器製作では,ロウ付け施工条件と受熱タイル構造の改善を行うことで対応した。本稿では,高い除熱性能を満足するダイバータターゲット製作の実施内容について報告を行う。